大切な家族が亡くなった時、本来は僧侶にお経を唱えてもらい、いわゆる『お葬式』をしてあげるのが、一番いいのですが、残念ながらペットの死に際して、そこまでされる人は、まだまだ少ないです。
「ペットも家族』と言われて久しいですが、現状はまだまだ「ペット」の域をでません。『火葬=葬儀』なのが今のペット葬儀です。それでも火葬後に何らかの供養をしてあげたいと思う人は多いようです。
「供養」とは「供え養う」の意味ですから、亡くなった子に思いを供えた時に、人として心が養われていく有り様、そのものが供養です。
では何をしてあげればいいかと言うと、動物供養において、私が今一番と考えているのは供養祭です。供養祭とは人間の法要でいう、彼岸やお盆のような法要です。
供養祭に参加して頂くことで、ペットが家族として供養される事を実感して頂けます。
@「塔婆供養」
塔婆供養とは、五重の塔を模した板に、亡きペットの名前を僧侶が書き入れてその名前を呼びあげで供養します。まさに人間と同じ供養であります。人様と同じよういして初めて『家族』ではないでしょうか?特に葬儀を火葬だけで済ませた方は、一度は塔婆供養をしてあげてください。
A「献花供養」
献花供養とは、亡きペットにお花を捧げることです。これも人間の場合は当たり前のようにしている作法です。その由来はお釈迦様の時代にまで遡りますが、要は自分が美しいと思う花を、亡き子に施す(布施)ことで、自分自身の徳になるのです。
B「法話」
法話とは、主に僧侶が仏教のお話をすることを言います。私も動物霊園やお寺様の供養祭に、お話しに行きます。そこで何時も心がけることは、『亡くなった小さな命を通じて、自分自身の命を見つめてもらう』という事です。
実は人間であれ、動物供養であれ、一番大切なことなのです。既に述べた通り、『供養』とは『供え養う』の意味です。亡き子に、心を供えた事により、自分自身が養われていく姿が【供養】そのものなのです。
ご縁がありましたら、そこかの供養祭でお会いしましょう。
回答者:田中龍彦 様
【回答者の役職・経歴】
動物供養協議会 理事
浄土宗総本山知恩院常任布教師
浄土宗長福寺 住職
株式会社 ワンハート・コミュニケーション 代表取締役